2021.1.30〜4.11に東京都庭園美術館で開催された20世紀のポスター展に行ってきました。
出展されるポスターは私たちデザイン・印刷業界とは縁深い紙業メーカー竹尾のコレクションからの展示。
更にサブタイトルの「ビジュアルコミュニケーションか可能か?」という文言に、コミュニケーションサポート事業を生業とする私たちには重要な展覧会だと感じて、行ってみました。
アールデコ調の建物と歴史あるポスターデザインの調和
竹尾ポスターコレクションの中から選ばれた歴史的ポスターが、アールデコ建築の東京都庭園美術館に展示される。
それだけでもアートな雰囲気に浸れる週末を過ごせるなと思って足を運んだのですが、専門的な展示企画に驚きました。
年代やデザインの系譜に分けられた展示、そしてそれぞれのキャプションには制作年代とデザイナーや印刷方式、そして洋紙の詳細な解説がなされているのです。
そして時折現れる、見たことのある歴史的なポスター。
そのどれもが保存状態も良く、70年以上前の作品とは思えない発色と存在感を放っていました。現在のDTPメインのデザインでは表せない、シンプルで力強い表現を改めて感じました。
また会場内の他の鑑賞者の中には、若い方で熱心にメモを取りながら鑑賞している方が散見されました。恐らく美術やデザインを勉強されている学生さんが課題レポートのために来館したのではと推察されます。
途中休憩で思わぬ文様ハンティング
溢れる情報と名作デザイン、他の鑑賞者の熱意に導かれ、私も真剣に鑑賞して順路途中の休憩コーナーで一休み。タブロイド版の目録リーフを確認しながら周囲を何気なく見ると、ここ東京都庭園美術館の特徴である和洋折衷のアールデコ建築の痕跡に日本の伝統文様を発見しました。
建設当時の最先端技術であったセントラルヒーティングの熱源ラジエーターカバーに、青海波と海鳥の文様がありました。
青海波に関する解説はこちらも見てくださいね!
思いも掛けない文様の出現で、隠れキャラを発見したような気分になり、リフレッシュして展示後半、鑑賞への集中力が復活しました。
まとめ
予想以上に内容の濃いポスター展に、思いがけない文様ハンティング。
久しぶりに訪れた庭園美術館の素晴らしいロケーション。
コロナ禍の閉塞的な日常からリフレッシュできた、とても良い体験でした。
まだまだ美術館は入場制限や予約制など、気軽に行けない状況ですが、日常生活に文化芸術は必要な要素なのだと改めて体感しました。
これからも、デザインやアートや暮らしに関わる「ちょっと面白かった物」や「街で見つけたアートなもの」などを、こちらで発表していきますね。
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